ポジティブ英語

ストレスを味方につける方法。

ストレスを味方につける方法

障害受容×言葉の紹介22

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シホっぴ
シホっぴ
今回はストレスのお話です。

ねぇねぇ、ストレスについての、ものすごく興味深い研究について知ったばかりなんだけど、聞いてくれない?

と友達一人一人をつかまえて説明するわけにもいかないので、ここに私が最近感銘を受けたストレスについてのTed Talk動画(How to make stress your friend)を訳していきます。

後半が特に重要で障害児子育にもapplicable 応用のきく考え方で、きっと誰かの背中を押す考え方だと思うので、楽しんで最後まで読んでいただけると幸いです。

まずその前に、村上春樹作品を..

ところで、村上春樹作品を思春期にたくさん読んだので、どうしても雪かき、という言葉を使ってしまいますが、私が障害児子育てに関する記事を書くことは、私なりの“文化的雪かき”です。

シホっぴ
シホっぴ
だれかがやらなければならない、そう思ってやっています。

雪かきをしているそばから雪は降ってくるけれど、雪かきをして、少しだけでも、だれかがこの道は少し通りやすいな、とか、思ってくれると嬉しいです。

雪かきって、しなくてもいいかもしれないけれど、自分の周りだけでも自分ができる範囲だけでも雪かきをすれば、少なくとも自分の家の前では、すってんころりん転ぶ人が一人少なくなる、それっていいなって思って、書いています。

自分も(自分が雪かきしたおかげで)転びにくくなるのではないかな(笑)、と思っています。

それにしても、雪って、かいてもかいても降ってくるんです。追いつかないんです。

発信できている以上のことが起きている毎日です。

「君は何か書く仕事をしているそうだな」と牧村拓は言った。

「書くというほどのことじゃないですね。」と僕は言った。

「穴を埋める為の文章を提供しているだけのことです。何でもいいんです。字が書いてあればいいんです。でも誰かが書かなくてはならない。で、僕が書いているんです。雪かきと同じです。文化的雪かき。」 

出典 村上春樹 『ダンス・ダンス・ダンス』

それてしまいました、、、では本題に。

ストレスについてのTed Talk動画紹介

では、ストレスについての動画、非常に学びのある、健康心理学者であるケリー・マクゴニガルさんのTedTalkの動画(How to make stress your friend)はこちらです。



この1年、どのくらいのストレスを感じていますか。あまり感じない?まぁまぁ?かなり?

(かなり、で手を挙げる人が大半な映像)

ストレスは健康に悪いものだ、風邪もひくし、心疾患にもつながる、とストレスというものを敵のようにしてきたんですが、今日はストレスについての考え方を改めました、というお話をします。みなさんにも考え方を変える機会になればと思います。

シホっぴ解説

シホっぴ
シホっぴ
と、スピーチが始まります。

動画では、ストレスと実際の致死率の相関関係についての結果が続きます。

そして、

“ストレスは健康に悪いと思っている、という条件下においてのみ相関関係がみられる”

という衝撃的な結論をプレゼンテーションします。続いて、

逆に言うと、ストレスの見方、とらえ方、を変えることで、ストレスと健康状態に関する相関関係が解消できる。

という話しになります。後半では、

ストレス下において人は社交的になる。

というストレス環境に置かれた人にとっては、驚きの新事実が明かされます。

シホっぴ
シホっぴ
私はストレスと社交性の関係については初めて聞いたので、目から鱗でした。障害児ママには、元気ではつらつとした人が多い印象をうけます。

実際に関わりをもった医療関係者・友人の方もそのような印象を持っているのではないでしょうか。

お母さん、大変なのにパワフルですね。

という声掛けをしたことがある人はたくさんいると思います。

子供を守るという目的のために、高負荷なストレス下にある母たちは、道なき道を生きるために、ガイドブックのない子育てをするために、情報を求めようと夢中で人間関係を作り上げていると思います。

ストレスと繋がる気持ち、オキシトシンというよく聞くホルモンとストレスの関係について描かれる後半部分までお楽しみください。

全部だと長すぎるので抜粋して訳していきます。

How to make stress your friend 訳

How to make stress your friend
(ストレスを味方につける方法)

Your heart might be pounding, you might be breathing faster, maybe breaking out into a sweat. And normally, we interpret these physical changes as anxiety or signs that we aren’t coping very well with the pressure.

心臓がバクバクして、呼吸が早くなる、汗が出てくる。不安が強かったりプレッシャーのかかることをしていてうまく対処できていないと、こういった身体のサインがでますよね。こういった身体のサインは、不安やストレスを指している、と普通考えられています。

But what if you viewed them instead as signs that your body was energized, was preparing you to meet this challenge? Now that is exactly what participants were told in a study conducted at Harvard University. Before they went through the social stress test, they were taught to rethink their stress response as helpful. 

では、たとえばもし、こういったサインを活力が出てきた、新しい挑戦に向けて身体があなたを準備させてくれている、と見方を変えてみたらどうでしょうか。そうです、それが、ハーバード大学での研究の被験者(もうひとつのほうのコントロールグループ)に伝えられたことです。

ストレス負荷テスト(ソーシャルストレステスト:被験者にストレスを与えるようなセッティングでプレッシャーをかけたりいじわるを言われたりしながら算数をさせたりする実験)実施の前に、ストレスへの反応について考え直すように教えられ、手汗や動悸といった反応は、ヘルプフルである、と言い含められたのです。そのような状態で、負荷テストにのぞむとどうなるでしょうか。

That pounding heart is preparing you for action. If you’re breathing faster, it’s no problem. It’s getting more oxygen to your brain. And participants who learned to view the stress response as helpful for their performance, well, they were less stressed out, less anxious, more confident, but the most fascinating finding to me was how their physical stress response changed.

動悸がするのは、アクションをおこすための準備。呼吸が速いのは、問題ない。酸素をもっと脳へ送ってくれているだけだ。

ストレスにたいする反応が出ている=パフォーマンスを上げるために役立つことが起きている、と考えを改めた被験者はストレスアウトすることなく不安も少なく、むしろ自信がありました。一番驚いたのは身体的なストレス反応そのものにも変化がみられました。

Now, in a typical stress response, your heart rate goes up, and your blood vessels constrict like this. And this is one of the reasons that chronic stress is sometimes associated with cardiovascular disease. It’s not really healthy to be in this state all the time. But in the study, when participants viewed their stress response as helpful, their blood vessels stayed relaxed like this. Their heart was still pounding, but this is a much healthier cardiovascular profile. It actually looks a lot like what happens in moments of joy and courage. This is really what the new science of stress reveals, that how you think about stress matters.

一般的にストレスをうけると、心拍が上がって、血管が収縮します、こんな感じに。

慢性的なストレスが心臓血管の(=循環器の)疾患に関与する理由の一つです。いつもこのような状態でいることはあまりいいことではありません。しかしこの実験で、被験者がストレス反応はヘルプフルである、あなたを準備させ身を助けているのだ、と考えると、血管は収縮せずリラックス弛緩した状態のままでした。

心臓は打ち続けているのですが、くらべものにならないほど健康的な所見です。むしろ、幸せを感じたり勇気を感じたりするような瞬間にみられるような所見に近かったのです。これは、ストレスに関する新発見です。つまり。どのようにストレスについて考えるか、ということが重要なのです。

So my goal as a health psychologist has changed. I no longer want to get rid of your stress. I want to make you better at stress.

そういうわけで、健康心理学者としての私のゴールは変わりました。ストレスを取り除いてみせよう、と思うことはなくなりました。ストレスを上手に扱えるようになってほしいなと思うようになりました。

Now I said I have over a decade of demonizing stress to redeem myself from, so we are going to do one more intervention. I want to tell you about one of the most under-appreciated aspects of the stress response, and the idea is this: Stress makes you social.

シホっぴ
シホっぴ
ここから後半です。この考え:ストレスは人を社交的にする、に私は感銘をうけました。

10年以上にわたってストレスを悪者扱いしてきた自分の名誉を回復するためにも、もう一歩踏み込ませてください。ストレスに関する様々な側面のうち、最も日の目を見ないで正当に評価されないできたものの一つ、それについてお伝えさせてください、これです。ストレスは、“人を社交的にする”、という考え方です。

To understand this side of stress, we need to talk about a hormone, oxytocin, and I know oxytocin has already gotten as much hype as a hormone can get. It even has its own cute nickname, the cuddle hormone, because it’s released when you hug someone. But this is a very small part of what oxytocin is involved in.

これについて理解するためには、ホルモンについて話す必要があります、オキシトシンです。オキシトシンは有名ですよね。かわいいニックネームまであります。ぎゅーするときに出る”the cuddle”ホルモンなんて言われています。オキシトシンにはまだまだ他の機能もあります。

Oxytocin is a neuro-hormone. It fine-tunes your brain’s social instincts. It primes you to do things that strengthen close relationships. Oxytocin makes you crave physical contact with your friends and family. It enhances your empathy. It even makes you more willing to help and support the people you care about. Some people have even suggested we should snort oxytocin… to become more compassionate and caring. But here’s what most people don’t understand about oxytocin. It’s a stress hormone. Your pituitary gland pumps this stuff out as part of the stress response. It’s as much a part of your stress response as the adrenaline that makes your heart pound. 

オキシトシンは神経ホルモンの一種です。社会性に関する脳の部位に関連しfine-tunes微調整します。たとえば、関係を深めるだとか、友人や家族との繋がり・身体接触を求めたりさせます。共感する力も強めます。

人助けしたいという気持ちもオキシトシンが影響しています。優しくて寄り添えるような人になるべくオキシトシンを出したらいいなんて言う人もいるくらいです(笑)。でも、ちょっと多くの人が分かってないことがあって、それは、これです。

オキシトシンはストレスホルモン、でもある、ということです。脳下垂体がこれを、ストレスに対する反応として放出するのです。アドレナリンが出ると心拍が上がりますよね。そういう感じです。ストレスうける、オキシトシンでる、の構図です。

And when oxytocin is released in the stress response, it is motivating you to seek support. Your biological stress response is nudging you to tell someone how you feel, instead of bottling it up. Your stress response wants to make sure you notice when someone else in your life is struggling so that you can support each other. When life is difficult, your stress response wants you to be surrounded by people who care about you.

そして、ストレスをうけてその反応として、オキシトシンが出ると、サポート・手助けを探すようにあなたのことを鼓舞するのです。

ストレス下にあることへの生物学的な反応として、誰かに、どんなふうにストレスを感じたかを言ったほうがいい、とあなたを動かすのです、そういった感情を隠そうとするのではなくて。

ストレスへのこの反応というのは、誰かが苦しんでいるときに、お互いが助け合うことができるようにと、周りが気が付くことができるようにと、仕組まれているのです。

苦難の時に、ストレス反応はあなたを助けるのです、あなたがあなたを助けようとしてくれる人で囲まれるように。

Okay, so how is knowing this side of stress going to make you healthier? Well, oxytocin doesn’t only act on your brain. It also acts on your body, and one of its main roles in your body is to protect your cardiovascular system from the effects of stress. It’s a natural anti-inflammatory. It also helps your blood vessels stay relaxed during stress. But my favorite effect on the body is actually on the heart. Your heart has receptors for this hormone, and oxytocin helps heart cells regenerate and heal from any stress-induced damage. This stress hormone strengthens your heart.

じゃ、このストレスがもたらす副次的な効果のおかげで健康的になるかどうか、という点なんですけど、オキシトシンは脳に働くばかりでなくて、身体にも働きかけます。

身体は心臓血管・循環器システムをストレスから守ろうとします、ナチュラルな抗炎症薬みたいな感じです。血管が弛緩していられるようにも働きます。

私が一番気に入っているのは心臓に対する効果です、オキシトシンは、ストレスによって引き起こされたダメージから回復するために心臓の細胞を助けるんです。このストレスホルモンは心臓を強めるんですね。

And the cool thing is that all of these physical benefits of oxytocin are enhanced by social contact and social support. So when you reach out to others under stress, either to seek support or to help someone else, you release more of this hormone, your stress response becomes healthier, and you actually recover faster from stress. I find this amazing, that your stress response has a built-in mechanism for stress resilience, and that mechanism is human connection.

すごいことは、こういったオキシトシンがもたらす身体に与える恩恵は、社会的なコンタクトをとることや社会のサポートを受けることで更に強まるのです。

つまり、ストレス下において、他の人にたどり着くこと、助けを求めること、あるいは誰かをこちらが助けること、そういうことで、このホルモンを放出します。

このストレス反応として起きるホルモンのリリースは、ストレスからの回復を早めます。すごいことだと思いませんか。

ストレス反応が、ビルトインの、あらかじめ埋め込まれたストレス抗体の機能があるだなんて。人間同士の繋がり、がストレスに対抗するための鍵だなんて。

つまり、ストレスをうけて放出されるオキシトシンが、社交性・社会活動を促し、オキシトシンによってストレスそのもののヒーリングにつながるだなんて、すごいですよね。

when you choose to connect with others under stress, you can create resilience. 

ストレス下において、人とつながりを持つこと選択すると、resilienceを作ることができます。

Now I wouldn’t necessarily ask for more stressful experiences in my life, but this science has given me a whole new appreciation for stress. Stress gives us access to our hearts. The compassionate heart that finds joy and meaning in connecting with others, and yes, your pounding physical heart, working so hard to give you strength and energy. And when you choose to view stress in this way, you’re not just getting better at stress, you’re actually making a pretty profound statement. You’re saying that you can trust yourself to handle life’s challenges. And you’re remembering that you don’t have to face them alone.

もちろん、もっともっとストレスフルな経験が欲しい、だなんて思いませんが(笑)、でも、科学がストレスの新しい捉え方を提供してくれたことは感謝したいですね。

ストレスは、心の扉へのアクセスを与えるんですね。共感できる心は喜びをみつけることができるし、他人との繋がりに意味をもたらすことができる。

そして、しっかり動く心臓は力をエネルギーを与えてくれる、そして、ストレスへの見方を変えることで、ストレスの扱いがうまくなるだけでなく、人生における多くのチャレンジ、苦難、について、確信をもって自分を信じて取り組むことができるようになる。

そして、ストレスに直面したときに、これは一人で対処するものではないんだったな、stress makes you socialストレスは社交的にする、ということを知っているだけで、繋がろうと外に目を向けることまでできるようにすらなるのです。

シホっぴから一言

いかがでしたか。

シホっぴ
シホっぴ
ストレスが社交性と関係しているなんて驚きですよね。

私は、激しいストレスにさらされたときに、なんとか人との繋がりを求めて、生存しようとする本能的な生物としての欲求というものが、よーくよくわかります。

そして、ストレスが自らそのような社交性を促すようなホルモンを発していること、そして、その働きによって繋がりを得て、幸せホルモン(こっちの性質のほうが良く知られていますよね)が出る感じ、もよーくわかります。

同じ疾患を持つ Peer ピア、の存在というのは、とても大きいですね。

障害の世界は一枚岩ではない、高次機能障害からゆりのような重症心身障害児までいろいろな幅があるので、どうぞ、それぞれの人が必要なグループにたどり着くことができますようにと祈っています。

ただし、悩みがすべてちょうど同じ人なんていうのもいませんから、違いがあれど、共通点に目をむけて、あなたとわたしの障害の差、についてとらわれすぎて、線を引くのはやめたいですね。

共通なところって誰とでも、見つけあえますから。

  • 満を持して生まれた赤ちゃんに起きていることを友人に告白した日のことを忘れません。
  • それがまだできずに一人で、文献を読み漁りながら泣いていた日のことも忘れません。
  • アイカルディ症候群の家族会というのがあるのですが(当時5家族目としてライングループに参加)最初その仲間に入るときに、メールを一本打つときに、足がすくんで心がついていくまで、何日間も、メール一本が出せなかったことも忘れません。(意外でしょうか?(笑))
  • そして、連絡をついにした日、同日、生きている同じ疾患の人から連絡が返ってきた日のことを忘れません。大阪府の一つ年上のお子さんです。そして、もう3家族いるんだよ、とグループに招待されました。
  • それ以来、家族会は一人また一人と繋がり現在20家族が連絡を取り合っていて、日々私のオキシトシンが溢れつづけています。新しくこの旅を始める人を、to helpたすけることでも、私は癒されているのです。

ないものは、作っていかないとですね!

と先日お話しした先輩ママが言いました。

はい!と目を輝かせて私は答えました。

ないものを作る方、なければ作ればいい、と一線で活躍する方、世界をすこしでも優しくしようと精力的に動いていらっしゃる方がたくさんいます。

社会問題に一言申したいと、課題を洗い出して、取り組む人たちがたくさんいます。

シホっぴ
シホっぴ
私も私なりにできることをがんばりますので(こんなサービスがあったらいいな、などを叶えたいです)、一緒に歩んでくださると嬉しいです。

真剣に生きるって楽しいですね。

ではでは。