障害受容×映画の紹介
Plan75という映画
―こちらの映画は、私も正会員である、NPO法人日本家族関係・人間関係サポート協会、「映画・ドラマにみる家族」で、ACPや意志決定を支援するには必見の映画ということで、11月に取り上げられました―
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NPO法人 日本家族関係・人間関係サポート協会 (famirela.com)
本作は、超高齢化問題の解決策として、満75歳から生死の選択権を与える制度(つまり安楽死が合法である)、“プラン75”なるものが国会で可決・施行された近未来の日本を描いた世界的にも話題になった映画です。倍賞千恵子さんが好演しています。
アマゾンプライムで見られますので(2024年1月現在)、ぜひご覧ください。
あらすじ
夫に先立たれてしまった主人公は、余暇は、友人たちとカラオケなどの息抜きに勤しみ、ホテル清掃の仕事もして充実していましたが、ある日突然高齢を理由に解雇を言い渡されます。
同時期に、賃貸住宅からの立ち退きも余儀なくされるのですが、就労先を失っていることもあいまって、新しい住まいを見つけるのに苦労してしまいます。
生活保護を受けるのかな、施設に入るのかな、長生きリスクを支える経済力はあるのかな、社会の重荷being a burdenになってまで生きても・・・苦悩する表情を見せる主人公。
資産運用を勧める銀行の広告のようなライトさで、街に溢れるPlan75の広告。
主人公は、採択期~しばらく反発もあったものの、なんとなく(このなんとなくがぞっとします)“生に終止符を自らのタイミングで打つ”ことの“妥当性・正当性”が政府主体で強調され続けた結果、“それもそうかもね”、という一定数の“反対を声高に叫ばない、消極的な賛成派”が拡がる形で市民権を得つつあったPlan75を選ぶことに。
Who has authority to determine the value of life?
誰かの人生に価値があるかどうかなんて、誰か(他人)が決めていいことなのか、ということについて。これがこの映画のテーマと言えるでしょう。
この映画では、How to treat the weak社会的弱者(the weak)と呼ばれる人たち、老人や子供や障害のある人をどのように扱うか、これについて問うているように思います。
Contributer(=貢献している人)に価値がある、そう考えるのかどうか、という問題とも言い換えられるかな、と思います。
労働というかたちで社会に貢献できない人には価値がないのでしょうか。Productivity 生産性がない人は、生きている価値がないのでしょうか。
ゆりちゃんは physical limitations
たとえば、ゆりちゃんは、physical limitations があります。
身体の自由が効かなくて、bedridden寝たきり、dependentすべてを人に(依存)頼って生きている、という状態です。
しかし、Fight for life 生きるための闘いを続ける姿、fight for health 病弱でも日々奮闘している姿が人に日々与えているimpact 影響力は多大です。
私には、ゆりちゃんと過ごしていることによって得た知見があって、Plenty abundance to shareシェアできることがたくさんあります、それに、Empathy for others 最も大切な、他の人の気持ちを想像する、という学びを毎日続けています。
そう、ゆりちゃんをはじめとするいわば最も弱いとされる命たちに動かされて、多くのプロフェッショナルが医学の発展、住みやすい社会作りに日々貢献をしていますが、その経済的価値は、測りにくいでしょう。
ケアという名のもとにフルタイムの賃金労働をする人を失っているのも事実でしょう。
最弱な人を、この社会は、ぞんざいにするのか、しないのか、不寛容なのか、寛容なのか、そういったところで社会の本質が問われると思います。
人というのは、Interdependent 持ちつ持たれつで、相互に頼りあう、そういう生き物であって、人というのは関係性の中 relationshipで生きている、 という観点が、失われてくると、殺伐としてきて、そのような命は価値がない、いらないのではないか、という思想がうまれます。
また、そういった思想は、一番弱い人たちの割合に拠るところもあるかもしれません。
“割合”が増えてくると、threat脅威に感じるかもしれません。
下支えできない、社会的弱者の人たちを(日々の生活に困窮しているというのに)働ける自分たちが下支えする、というのは割に合わない、不平等感がある、というような気持ちになって、そういった思想がうまれるかもしれません。
生活保護受給者へのバッシングや自己責任論なども過熱しやすいテーマだと思います。
近未来においては、高齢者が労働力にならないのに生き延び続けていると若者たちに税負担がきてしまう、後期高齢者は姥捨て山に捨ててしまいましょう、そういう発想が妥当だと集団が判断した結果がPlan75なのです。
それもそのはずで、映画製作のきっかけは、早川千絵監督「身勝手な判断で犯行に及んだ犯人に同調する社会の空気を感じ憤りを覚えた」から、とのことです。
75歳というのはこのごろは元気な人が多いけれど、それがPlan90ならばどうなのか?90ならいいのか?という質問や、特定の知能や肉体の人をPlan〇〇として殺戮の対象にすることがまかり通り始めませんか、という質問が出てきそうです。
高齢者雇用だったり、障害のある方の就労先だったり、低賃金など解決するべき課題があるはずです。
あらゆる方面へ配慮のある政策がでてくるmatureな日本になっていけると信じたいです。
草の根的にですが私も私のできることをして、おそろしい考えが蔓延ってしまう世の中にならないようにできることをしていきたいです。
生き恥晒すよりは自決する武士みたいな日本人の独特な死生観やというのは独特だと思います。
そんなに老人が長いこと生きてもね、孤独死をして迷惑をかけてもみっともないよね、のような、恥とか、集団とか、迷惑、とか、生きる権利をその自由を自ら放棄 surrender free willしがちというか、そういったことを自分の命よりも上に位置付けるっていうのも、日本に独特なところなのかなと思っていて、そうだからこそ、他の国では成り立たない映画というか、この近未来の日本、という設定がすごくリアリティがありました。
ありえないんだけど、ありえそうな絶妙な描き方。
自分のことだけ考えたら、確かに選択できてもいいのかもな、なんて考え始めてしまう、終始ぞっとしてしまう映画です。
看護介護施設における外国人移民労働者(のちにPlan75関連施設に就労)も描かれていて、そのあたりについても考えさせられます。
助けてほしいと求めることは、弱さではなく、強さです。
大丈夫という人がいるけど、苦悩Strugglesがみてとれるなら、insist on helping them助けさせて、って、助けるから頼りなさい、って言わなくちゃって思っています。
- 迷惑かけちゃいけないからと助けの手を断ち切ったり、葛藤したりしない。
- お互い様だからって、大変なときは、人を完全にあてにして生きてみる。逆もしかり。
- そんな状況にある人のことも咎めない、赦す、信じて待つ、チャンスをあげる。
社会に還元するべきものが自分の場合は何なのか、考えています。
do your best according to your strength and gifts and abilities.
自分の強み、与えらえた才能、能力に従ってベストを尽くそう。
Fulfilling your purpose in this world.
この世界のために何ができるか考えよう。
無痛文明論
Plan75をきっかけに考えたACPのこと
Plan75をきっかけに、考えたのが、ACPのことです。
ACP(アドバンストケアプランニング)というのは、延命治療をするかしないかなどについてのことだと思っていたけれど、生き方のことでもあるな、最期の最期のときのことだけじゃないのかも、って今は認識しています。
どんなふうに生きたいか、なにしているとき幸せなのかな、普段から大切な人と話しておきたいな、その人が大切にしていることをもっと知ろう、って思いました。
すごく再生回数が低くて驚きますが、重要な動画だな、と思っていて、時間を作って考えたいことだな、と思いました。
厚生労働省が、「人生会議」という愛称を使って、ACPの普及・啓発に努めています。
「人生会議」に関するインタビューと座談会の動画を公開しました (mhlw.go.jp)
関根勉さん・麻里さん親子のインタビュー動画がとても良くて5回も見ちゃった!と教えてくれた友人に感謝です。実にすてきな親子関係だなと思います。
こちらが↓座談会の動画です。
56分のところで、紅谷先生が、市民が敷居高くなく参加できるコミュニティというか、そういうのをそれぞれいくつかもっている状態、文化のようにしていく、ということが大切ではないか、とおっしゃっていたのが共鳴しました。
以下紅谷先生が挙げてくださったことの列挙になります。
・ロンブー敦さんが始められた、ITAKOTO 動画遺書サービス
誰かの心残りを知ること、あなたの心残りを言葉にすること。
・もしばなゲーム
・幻のトークゲーム無礼講ースター
(楽しそう・・・持っている人いますか?)
1分で完売した「無礼講ースター」1,000個以上の予約注文で限定再生産 | 株式会社ヤッホーブルーイング コーポレートサイト (yohobrewing.com)
ではでは。