生活×日常風景
障害児の母親が自分のための時間を過ごす
2023年3月26日は、一生忘れられない特別な日になりました。
障害児の母親が自分のための時間を過ごす、を想像を超える形で叶えてもらったありがたいその日のことを回想してみました。
主催者の中嶋弓子さんが、開催前日、こうおっしゃいました。どうか晴れてほしい、雨予報なのが悔しい、晴れるように祈ろう、と。
私の頭の中は、その時、本降りの雨の日に銀座に集合、と言われて、行ける確率について考えていました。
雨の中、地下鉄の出口を出て、グーグルマップを見ながら、傘を差しながら、大荷物で迷子になっている場合じゃない。
車で行くにしたって、銀座にちょうどよい駐車場なんてあるだろうか。子ども車椅子の荷物置は地面に近く、晒されていて、本降りの雨の中では、濡れてしまうのは自明。
レインカバーに包まれたゆりちゃんと医療機器。吸引をする必要に迫られて、本降りの雨の中、レインカバーを開ける。
ゆりちゃんが濡れてしまう。寒くなってしまう。風邪をひいてしまう。とんでもない荷物の量。そんな映像を思い浮かべて、ないない、と、笑って首を振った。―ミッションインポッシブルー
私は、明日、1人で電車で出かける
そして気が付く。あぁ、私は、明日、1人で電車で出かける。
ゆりちゃんは置いてこいと言われている。そういう日だ。なんだかニンマリしてしまった。
ゆりちゃんと一緒に行かないならば、晴れは必須ではない、天気は関係ない、そう思いなおす。
雨なんだけど、銀座なんだけど、初見の場所なんだけど、バリアフリー具合の下見をしていない場所なんだけど、(とんでもない子どもの体調不良でもない限りは)、95%くらいの確立で行けそうだな。
ミッションコンプリートの予感を感じて、ニンマリしてしまう。約束を守れそうな気がするだけで、力が湧いてくる。
思えば、障害児の親になって…
思えば、障害児の親になって、たくさんのドタキャンをすることになった。
それでも予定を立てるけれど、実際は、その日と、せいぜいその次の日くらいの予定しか見通しが立たない。
だから約束を守れないことがある。SNSには明るい面を伝えたい、それが自分が信じていることだから、ゆりちゃんの達成したことや可愛かったこと、楽しかったことをたくさん伝えている。
けれど、そんな投稿をしたそばから、いつもより強いてんかん発作を起こしていて、むせ込みを起こしていて、高い熱が出ていて、座薬を入れていて、抗生物質を入れることにして、医師に搬送するかの判断を仰いでいて、当日と翌日の学校やリハビリ(と行けるかなと思っていた美容院や楽しみにしていた友人とのランチ)のアポイントメントを次々キャンセルしていて、入院の支度をしている。
そんな自分がいたりする。そんな日々を送っているのは、障害児の家族同士ならば暗黙の了解。
約束が守れない自分がいやになる。
信用を失うような日々に耐えが得たい自己嫌悪を感じることもある。守れない約束をすることそのものが心の重荷になってしまうこともある。
私って付き合いが悪いのかな、ノリが悪いのかな、いや、子供を言い訳にしていて行動力がないのかな。
PMSも手伝ったりする日には余計に、とてつもなく自分だけがダメな人間のような気になる。
東京おでかけプロジェクトの募集広告
さて、だから、東京おでかけプロジェクト、の募集の広告を目を細くして見つめました。
その日を無事迎えられないかもしれなくて、きっとご迷惑をおかけするかもしれないから、私なんかは参加できないかもしれない。
自信ないな、と、訝しげな顔で見ていたのでした。数か月前のこと。
なんだかんだと主催者の中嶋さんとのやりとりを重ねて、結果としては、参加することとなった。
東京おでかけプロジェクト当日朝
東京おでかけプロジェクト当日朝、溜池山王に向かっている。
約束を守れそうな日。銀座線に乗り換えて、ちょいちょいちょいで到着だ。今日は、銀座で薔薇を愛でて、資生堂パーラーでヌン活だ。(ヌン活=アフタヌーンティーを楽しむ、という意味で合っていますでしょうか!)
すこし変かもしれないが、7年間のゆりちゃんとの生活で、駅の階段への憧れの気持ちがものすごく自分の中で増幅している。
今回中嶋弓子さんにもその想いを伝えている。地下鉄の出口の階段を駆け上がることが夢。子ども車いすバギーとゆりちゃんとゆりちゃんの荷物を合わせると自分の体重と同じくらい。
二倍に膨れ上がった自分の体重でいつも稼働しているわけだが、今日は半分。なんとも軽やか。
これが忘れていたけれども、自分の正しい重量だ。
完全に私を頼りながら生きている人と一心同体で過ごす日々が続きすぎて、本来の自分ひとりでの移動は、軽すぎて地面から浮き上がってしまうような気さえした。
地面にねじりこまれるような地面に沈み込み埋まるような感覚がなかった。今日は、ハイヒールでスカートで小さなバッグで軽やかに駅の階段を駆け上がってみよう。
誰も見ていなければ、きっと一段飛ばしで駆け上がってしまう。
今日はそんな小さな夢が叶う日。
【階段への憧れの独白モノローグ】
私は、もうエレベーターには飽きているんだ(!)笑、
だれか知らない人がね、声をかけてくれてね、ゆりちゃんとエレベーターに乗ってくれてね、ママ階段行っていいよ、出口で待ち合わせね!って言ってくれたら、けっこう嬉しい。
そういう職業の人がいたら、チップを払うくらい、私は階段に憧れている!笑。
エレベーターのある出口から地上に出てくる景色しか知らなくなって久しい。
階段を選択する権利が欲しい。選択肢があることがバリアフリーと言えるのではないか。エレベーターしか選べなくなってしまった私の人生は、自由だろうか。
と、逸れてしまったし独特な感覚を吐露してしまって申し訳ないが、そんな小さな欲望も今回明らかになった笑
銀座に向かう朝のAnthemアンソム
銀座に向かう朝のAnthemアンソム(自分を鼓舞する応援歌)は、Idina Menzenlのdefying gravity。
イディーナ・メンゼルは、最近?!は、アナ雪で、Let it goを歌っている人!として記憶に新しい?けれど、Let it go(ばっかり)を歌いまくる生活の前は、このdefying gravity(ばっかり)を歌いまくる生活でした。←他の歌ももちろんあるけれどね!
当時は、この人は、一生このdefying gravityだけを歌って生きていくのかな、とまわりも本人さえも思っていたんじゃないかと思います←勝手な憶測です。
抗うんだ!重力に逆らうんだ!首を上げるんだ、がんばれゆりちゃん、
my future is unlimited!限界はない!
I swear someday I’ll be flying high! Everyone deserves a chance to fly!
誰だって飛ぶ権利はある!いつか高く飛べるよ!
と励ましながら何度も聞いた曲です。
埼玉から遠征して、静岡てんかんセンターで暮らしていた時期は、(埼玉から見ると静岡は西の空なので)
if you care to find me Look to the western sky!
私がどこにいるのかきになるなら、西の空を見て!
kiss me goodbye西にいるから、そんじゃーね東京(いや埼玉だ)
なーんて思いながら聞いていました。
彼女のパフォーマンスの中でも、私はこのオーケストラと歌っているバージョンがとっても好きです。彼女の中のエルファバが、エルファバとしての表現が凄くて、見ていて震えます。
この曲は、オズの魔法使いのミュージカル、ウィケッドの曲で、イディーナ・メンゼルが歌っているのですが、彼女は、生まれつき緑色の肌と強力な魔法をもつエルファバ役を実際演じています。
てんかんという生まれつきの特殊な動き、見た目の異質性、自分の力をこえた何らかの力に動かされてしまう様子が重なり、なんだか気に入ったのでした。
Close my eyes and leap! I’m through accepting limits!
限界なんてない、飛んじゃおう!
you wont bring me down!
もうだれも私を引きずりおろせないよ、ははっはっはー、とtheatrical(シアター、演劇がかった)な自分が発動してしまって、胸躍りながら銀座インしたのでした(笑)
参加が決まった、東京おでかけプロジェクト
実際、この難儀なミッションを遂行するにあたり、主催者の中嶋さんに、次のようなリクエスト、打診もしました。
ゆりちゃんの体調が十分良くて、パパがゆりちゃんとしゅんくんと一日家で過ごせる日を作る。往復の時間も鑑みると、半日だ。難易度が高い。
だから、ゆりちゃんの体調が当日良くても悪くても、体調悪からの上り坂なのか、これから体調が崩れる下り坂なのか、どっちだとしても、私、ゆりちゃんと一緒にいたほうがイイかも、ゆりちゃんと銀座に行って、隣にいさせるか、それかその時だけなんとか誰かに見ていてもらう方が安心かも、5-6時間預けることの難易度の高さについて切々と言いました。
移動中せめて自分といられれば、会場で数時自分以外の人と過ごしたとしても、その前後の移動時間で彼女の体調をきっと調整できるのではないかと。
しかし、子供と離れてみよう、子供預けてみよう、一人で電車乗れ、自分に戻る時間作れ、と言ってくる中嶋弓子さんがいました。
しかし策がなくてそんなことを言っているわけではありませんでした。子供見守り隊をよこす、というではありませんか。
この人は本気です。あるいは、看護師を手配するのに必要な金額はいくらだ?とも聞かれました。この人は本気でした。
そして、このプロジェクトを通して、超重要なことを学びました。
おせっかいはうれしい
「当事者じゃないです、でも~」 この、でも~(ほにゃらら)の部分を熱く語ってくれた、高い熱量でコミュニケーションをとり、プロフェッショナル各所との連携を仰ぎ、全力で楽しいを実現したがっている彼女が見ているビジョンを一緒に見たいと思った。
ぱっと花が咲くようなひと時を作ろうとしているこの人、人に無理させてくるこの人、非日常な動きをとらせようとしてくるこの人。
私は、こんな嬉しいことはないな、と思いました。本気で人の心の中を開けようとしてくる人がいて幸せだと思いました。
できる、あんたはできる、子供をあずけてみようと思ってごらんよfor the first time、と。ねぇ、それって本当の意味で休めてますか?を深追いしてくる人に出会えて幸せだと思いました。
理解しあえなさそうなときも、ギブアップしないことの大切さ
自分の時間を生み出すことがとてもとても大変だということを彼女は知っていました。そのうえで、人を信用して頼ってしまおうよ、っていうのを実戦形式で教えてくれる人でした。
お互い様だよね精神、みたいな感じで、それぞれが得意なことを生かしたらいいんじゃないか、というのです。
学び合うというのは、とても大切なことで、家庭に派遣しようとしてくれているのは、医学生だという。
家庭での在宅での様子を医学生の方にも関心をもってもらう、というその仕掛けには、とても感動しました。
そうです、在宅でのイメージを描けているお医者様が増えるととても嬉しい。母がいない状態で、そうやってコミュニケーションをとってくれるというのは、実は家族全体にとっても非常に有意義なことだったりもする。
コンフォートゾーンをこえていくことの大切さ
自分もそうなのだけれど、友人が、結婚した、妊娠した、子供を産んだ、となると、とたんに、“誘うの迷惑かなフィルター”が発動してしまうことがある。
女性というのは、そういったライフステージによって人間模様が変わったりするものだと思うけれども、まして誰も知らない医療的ケア児との在宅看護生活をしているなんていう人をみると、友人も付き合い方を迷ってしまうことがあると思う。
ぐいぐい積極的に外に連れまわしてみようとフラットに近づいてくる人というのは、稀有でありがたい存在である。
全力で答えてみることの大切さ
これても、これなくてもいいよ、子供の体調を優先してね、リスケでもいいよ、と弓子さんは言わなかった。
無茶苦茶な行動力に魅了された。この日にむけて日付をおさえたとき、キャンセルすることあるかもしれないな、という悪い予感もよぎった。
親族か親友の結婚式に参加するみたいな勢いで。(実際、当日の懇親の時間に、冠婚葬祭レベルの重要度でこのイベントをカレンダーに数か月前からマークして、今日ここにきています、裏では、たくさんの人が動いています、と伝えると、とても、うけた笑。)
全力で参加する方向一点だけを見据えて準備して遊ぶ、というのは、非常に楽しかったし、自信になった。リスケしてもリスケしても、いつが娘の体調の底かわからない。
だから、リスケしないつもりの一択、その日に会えるつもりの一択、でこちらも腹をくくる、というのはとても良い経験になった。
人は遠くまで旅行をしたり移動をしたりすると幸福度が上がる、という研究があります。
普段のルーティンを崩して、違うことをすることはとても大切で、子育てにすっかり浸っている人にとってのそれは、無理やりでも子供から離れる時間をもつことが大切である、という意味でもあると思っています。
Frequent travel can make for happier life, study shows.
It really illustrates the importance of being able to get out your routine and experience new things.
母が自分時間を確保するのって大変だ。医療的ケアのある障害児の母親が自分の時間を確保するのって、本当に大変だ。
とても幸福な気持ちがイベントの後ずっと続いているのは、まったく違うことをしたらだろう。普段と全く違うことをするように言われた。
- 弓子さんのお願い1.荷物は少なく
- 弓子さんのお願い2.ハイヒールで
- 弓子さんのお願い3.下の名前で呼び合うこと
- 弓子さんのお願い4.子供は置いてきて
ゆりちゃんのママとしてのアイデンティティを意識して脱ぎ去るというのは、絶妙に愉快だった。
私は参加者の中には知っている顔があって、それぞれの闘いを知っていた。でも、その日は子供の話をすっかりやめた。
私たちには、2時間半がちょうどいい
帰り際に、ねぇ、私たちには、2時間半がちょうどいいよね。
明らかに家が大丈夫か本当は気になっている様子がそう言った子の瞳にふと見えた気がした。みんな本当はそうだった。
子供たちがなんとかやっているのか完全に忘れられた人はいなかったのではないか。2時間半を絞り出せる豊さを尊さを知っていた。
いくらでも時間があるわけじゃない。それぞれが相当頑張った。それぞれが、このような贅沢な時間を自分が銀座で過ごしていいのかどうか、という罪悪感とすら闘って、ここにきていた。
ローズギャラリー
ローズギャラリーでは、Leave no flower behindと書かれた言葉が目に入り、なんだか胸に響いた。
そうやって丁寧にひとひらひとひらの薔薇の花びらから作られた濃縮された天然の薔薇の香り。
いまからあなた方に魔法をかけます、と言われ、贅沢にも、pixie dust(妖精の魔法の粉)のように、この香りを頭頂部からふわりとあびた。
ローズギャラリーの3人組は毎日薔薇と話しているからなのか、体中から愛と自信が溢れていて口角のキュッと上がった笑顔にまっすぐに届く熱いまなざし、艶のある肌、しゃんとした立ち姿のものすごいオーラ。
私たちも薔薇の香りに包まれて食用薔薇のウェルカムドリンクを飲み切るころには、薔薇のエサンスが身体を満たして、グロウが出てきた気がした。少々グロウイーになったと思う。
それぞれヘアメイクさんに手際よく可愛くしてもらって、みんなで楽しく薔薇をもって写真を撮った。
なんなら、これは本当に恥ずかしながら、Veryの写真家さんが入って、モデルでもないのに被写体になった。
薔薇紳士の言葉のセレクトが絶妙で私はとても愉しんだ。
5輪の薔薇をもつ私たち5人をまとめて、10輪の薔薇がデビューします、
と声を張ったときは、大爆笑でした笑。
弓子さんもかなりふざけてあおってくるので、楽しくないわけがなかったです。
一生思い出し笑いできるような瞬間でした、笑。
そりゃそうだ、普段難病児のケアをしている人たちがバチェラーごっこみたいだねなんてけらけら笑って、それぞれのテーマカラーの薔薇を持っているんだから、そりゃぁ楽しいでしょう。(私は、この日がパープルデーといって、てんかんの啓蒙啓発の日だったので、パープルローズを持たせて頂きました。)
雨の中ジャンプ
そう、ギャラリーから移動途中、雨の中ジャンプをしました。
重力を忘れて傘を差しながら飛んだあの1秒間は、スローモーションで、雨粒までが3Dで見えました。一生の思い出です。
資生堂パーラーのラグジュアリーな空間もまた絶景でした。
ローズの3人組とメイクアップアーティストさんと写真家さんと、ほんの数ブロック歩くと、もう資生堂でした。
そして摩訶不思議なデザイン性のあるエレベーターパネルを押して、上階に到着すると、異空間でした。
めらめらと暖炉に揺らぎの炎が灯っていて、大胆に飾られた桜の生け花と会食用にセッティングされた豪華な空間が現れたのです。
そして、そこで、初めて、簡単な自己紹介の場が設けられた。
私って、病気の子供がいるんだ、って初めて言い合った。
だから、今日はこんな日を作ってくれてありがとうって。
入ってくれていたプロフェッショナルの方たち、みんな、それぞれと1人の女性として出会って過ごしていた2時間だったから、それぞれの境遇に、たいそうおどろいて、胸がいっぱいになっているのがすぐにわかった。
ローズギャラリーの人がこんなことを言ってくれた
“銀座で今まで見かけた中のだれよりもすごいなんていうんでしょう、目が本当に純粋でキラキラしていて、本当にこう美しいなって心から思いました。
すごく一生懸命生きていらっしゃるから、すごく心が見えて感動しました。勇気をいただきました。本当に薔薇のよう。
銀座で綺麗な人とかたくさん見ますけど、そこを歩いている女性のどなたよりもみなさんが一番きれいだなと思いました。本当です。心からそう思うんです。”
それはそうですよ。だってね、ここに今日来るぞって思ってから、体調だって、気持ちだって、かぞくそれぞれのスケジュールだって、頑張って、整えて、整えて、それで、ここにたどり着いたの。
距離的に物理的に子供から離してくれて、とてもいい時間を過ごせたよ。このくらい大胆に引き離してもらうことで、やっと自分の輪郭に気が付いた。
やっと自分を大切にできるよ。ぼやけてしまったバウンダリーが見えてきた。自分の一人の自分の足で歩いているだけで、生き返った。
いくらでも侵され放題だった自分の時間。オンコールのピッチを持たされている看護師のような毎日。アラートモードを解除するきっかけがなかった毎日。
そこから、1人取り出されて、切り離されて、追い出されて、銀座に来れた。家を出る瞬間まで一生懸命だったし、家につけば、また始まる。
でも、すごく頑張れそうなんだ。ありがとう。
モーメント
このモーメント、この言葉きけたこのモーメント、贅沢だったね。
ねぇ、よかったら、みんなも、隣にいるあなたの大切な人に言ってあげてくれないかな?
たくさんの美しい人達を見てきた。でも、今日のあなたが誰よりも美しいよ、って。
こんな日がいつまでも好きだ。誰だってそうだ。生きていてよかったと思えるような日。儚い薔薇のような人生。ひとひらひとひら。楽しくみんなで集える時間は尊い。
中嶋弓子さん、あなたは何者でしょうか。
弓子さんは、半径1メートルを幸せにする、とよくおっしゃるのだけれど、どうやら半径1メートルに飛び込んでみたら、とっても幸せになれました。
帰路
帰りは、モノクロの世界に薔薇の花が咲くシーンから始まるミュージックビデオが印象的かつ、こんな薔薇薔薇薔薇の一日の締めくくりにピッタリな、ミセスグリーンアップルのこの曲、僕のこと、を爆音で流しながら帰った。
子供がいたらイヤホンはしないんだけど、小さいバックでスカートでハイヒールでイヤホン。
すれ違う街の人は、希少疾患難病児の女の子がお家で待っているなんて、思わない。
私がお母さんなのかどうかすら、わからない。
実は私は難病児のお母さん。
薔薇の花束を持って、髪がくるくるで、ハイヒール。
いつもと全く違うペルソナを楽しみ味わって
元気がチャージされたお母さん。
ミュージックビデオ
オーケストラバージョンもとてもよいです↓
あぁ、なんて素敵な日だ。
がむしゃらに生きて誰が笑う?
狭い広い世界で奇跡を唄う。
朝昼晩とがんばる、私たちのエスケープ
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ
ただいま。
お母さんですよ。
お母さんは元気をたくさんチャージして帰ってきました。
ママはお友達と遊んでとっても楽しかったよ、というお話を子供たちとパパにして、1日いい子だったかどうか子供たちの様子を聞いて、4歳の息子からの素直なcomplimentお褒めの言葉(ママおしゃれして可愛いーお化粧して可愛いー)にありがとうをいって、娘のちょっと不思議そうな怪訝そうな顔に話しかけて、とても長く感じた会えない時間を埋めるようにギューをするのでした。
そんな東京おでかけプロジェクト、一生忘れられない特別な日の記録。
ではでは。
銀座へおでかけプロジェクト
https://note.com/tokyoodekakepj/n/n96457c746e15
中嶋弓子
撮影:吉澤 健太ヘアメイク:山本麻未 ROSE GALLERY GINZA:松村吉章、武田桃子、大槻佐和子資生堂:横山 加津子&関わってくださった方全てLaxus:田中ゆみ学生ボランティア:田羅理美取材:NHK石川由季