障害児との生活
その唄を聴いていたら、今まで決断してきた一つ一つを思い出さずにはいられなかったです。
障害児との生活は、常に、正しさを別の正しさと天秤にかけている、そしてその選択は命に直結する、そういった毎日です、といっても全然大袈裟ではないですね。
経口摂取、できるだけ続けたい
口から普通の食事をとることを続ける正しさ、口からおいしく食べること、これを守りたい気持ち、絶対正しいですよね。
嚥下機能が低下しているとしても、食形態の工夫(ミキサー食、とろみ)をして、経口摂取、できるだけ続けたいですよね。
移送、送り込み、飲み込み、嚥下(えんげ)、そういった機能が低下しているから、誤嚥(ごえん)、飲み込み間違い、をしてしまう。
食道に入るべき食事が、気管に入ってしまう、肺炎を頻回に繰り返してしまう、誤嚥しないように食事をあげようとすると、食事の準備(食形態の工夫)に時間がかかる。
食事そのものに捧げる時間が長く、本人も体力の消耗が激しい、眠ってしまうのを叩き起こして一口一口上げる日々に疲弊し家族のQOL生活の質に影響が出てくる。
だから、経口摂取をあきらめて、経鼻や胃ろうを検討する。これも別の正しさです。
諦めるのは辛いけれど。
3歳10ヵ月の時に、胃ろうに踏み切る
我が家は、3歳10ヵ月の時に、胃ろうに踏み切っています。(NICU時と体調不良時、手術前の時期に経鼻栄養をしています。)
英語話者の人たちと、胃ろうのメリットがデメリットを上回る件。をたくさん話してきたことや日本の友人の子たちの胃ろうを実際見ていたので、決断するときに、そこまでの抵抗感はありませんでした。
何についてもですが、情報の少ない中で短時間で決断を迫られるので、早めに情報に触れておくことや、先人たちの前向きな話が聞けること、いざのときになったらあの人に話を聞こうという人がいることは大事ですね。
胃ろうを迷っている人には、
The advantages outweigh the disadvantages.
メリットがデメリット、上回るよ、と言いたいです。
※あくまで私は、です。胃ろうの再手術をすることになったり、傷口のトラブルに悩む人、もいます。
胃の入口を縛るニッセンというプラスでできることがあるのですが、それをするかしないのかというのも一つ考える余地があります&縛ったからこそQOLが上がったと言っている人もいれば、
(今まで通り噯気を出してあげられないから、吐くくせがある子は吐けなくなったから)ちょっとおなかが苦しそうなんだよね、と言っている人もいます
↑胃ろうを開放したら空気は出せます、縛らずに作ったけどどうせ縛るなら最初から縛っておけばよかったよ、最初から提案してもらいたかった、そうすれば一回の手術で済んだのに、と言っていた人もいました。
鼻チューブ栄養で頑張っている人もたくさんいる
鼻チューブ栄養で頑張っている人もたくさんいます。
鼻から食道を通って胃まで達するようにチューブを我が子に入れるのですが、なかなか辛いものがありました。
この手技を覚えないことには退院できないのですよね。胃にちゃんと管が入っているかの確認の聴音なども練習しました。
一連のこと、慣れ?てくるか、といわれると、私は実は毎回辛かったです。
そのチューブが抜けないように、ほっぺに固定テープをしっかり貼ること(抜けたら再挿入なので←母子とも大変)
貼ったままのテープによるスキントラブル、細い管なので、入れることができる栄養剤が限定的であること(流動の形状のみ)
時間がかかること、薬もものによっては(漢方とか)詰まること(そして挿入しなおし)元気な子は管を抜いちゃうこと(!)
など鼻チューブの試練は多いですね。
胃ろう + かわいくアレンジ
とっても可愛くテープに絵をかいているママがたくさんいて、かわいいほっぺさんにかわいいイラストをつけた、経鼻している子たち、とっても可愛いです。
私は個人的には、経口摂取を続けられなさそう、経鼻が手放せないことが明白になったら、胃ろうを検討することで、母子ともに快適になるかなと思います。
顔のまわりがすっきりするのがいいし、のども管が通っていないほうが楽だと思います。
経鼻栄養でずっといくことになりそう、本人の嚥下能力的に、経口でお食事をすることは難しそう、そうなってくると、胃ろうの検討になると思います。
何が正しいのか?
何が正しいのか、手術をすることの正義は、正当性は、妥当性は、手術をしないことの正当性は・・・悩むのが普通だと思います。
あくまでも私の印象ですが、
胃ろうに対するネガティブなイメージがなさそうに見えました。
可愛い英語の表現を知ることで心が軽くなっちゃうあるあるのひとつなのですが、経管栄養をしている子どものことを、英語では、”tubie baby”といいます。
A tubie is a child who is fed through a feeding tube. 経管栄養の子供のことを、チュービーっていうんですよね。
日本語では、経鼻経管、と言ったり、胃ろうっこ、ですね。
そちらもまぁまぁですが、チュービーのほうがより軽やかな響きな気がします。
知名度が上がるといいな
障害児のことを、スペシャルニーズ、というんだ、という言葉が多少浸透している(気がする)のと同じように、tube fedチューブ栄養、という言い方も、もだんだんと知名度が上がるといいなと思っています。
胃ろうは、日本語だと、なんとなくterminal終末期を連想し、仰々しいのですが、(胃瘻と漢字で書くとなおさら)英語でいうと、g-tubeです。
おなかについてるスペシャルボタン、誤嚥もしないし、寝ていても水分とれる、病気したときに確実にチューブから薬が入れられる、なんだか便利なa must-have item必携品、造って損なし!
アイカルディ症候群最高齢のミッシーさん
アイカルディ症候群最高齢のミッシーさん(50代)のご家族がg-tubeは、life savior だ、コーラもビールも入れてOK、と笑って話すのを聞いて、感激した経験があります。
胃壁と腹壁をくっつけて、腹部外側に通り道ができているのですが、食事をシリンジで押していれるので、お食事入れやすいように(全脱ぎしなくていいように)工夫された下着やお洋服、また、胃ろうのカバーがたくさん出品されています。
器用でかわいいもの作ることが大好きな人、必要に迫られてsewing裁縫に目覚めた先人ママさんたちが中心になっていろいろな選択肢が提案されています。
#adaptiveclothing
#gtubepads
などインスタで検索すると、世界中の人たちのハンドメイド作品がいろいろと見ることができます。
自分で作ってもよし、作ってもらってもよし、買ってもよし、です。
イベント(関東圏においては、年一回の障害児・ケア児のための一大イベントといえば、臨海エリアのコンベンションで毎年春先に行われる、キッズフェスタですね。)
また医療センターの手作りグッズコーナーにて、素敵なカバーを見つけたときなど、買っています。
明るい面に着目しながら、ケア児との生活を楽しみたいですね。
ではでは。
NHK:胃ろうは生活をよりよくするための手段 どんなときに使う?種類は?生活は?
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1563.html