てんかん発作が止まらないから、糖質制限食、ケトン食療法に進みたい
てんかん発作が止まらないから、糖質制限食、ケトン食療法に進みたい、これは別の正しさですね。
失うものは、子供が直観的においしいと感じる糖質がとれないこと。
おいしさを失うと言いきるのを避けたいです。ケトン食=まずい、と切り捨てている人がいるのですが、おいしさの工夫の余地はあります。
ケトン食という決断をした人をリスペクトするためにも、おいしいごはんをあきらめる、のようないい方を避けたいですね。
MCTオイルをばしゃばしゃかける献立なんて、子供がかわいそう、というステレオタイプが拡散するのを避けたいです。
ケトン食に挑戦するしかない、もうこれしかない、と切羽詰まっている人を応援するどころか、気持ちをくじく人というのがケトン食に関してはかなり高頻度で現れるので(笑)それは困ったものだなぁと思ってます。
数年前、数十年前に、ケトンに挑戦していた親子を知っていて、オイルをショットで飲んでいて辛そうでしたよ。
とlook at me with pitiful eyes(ご愁傷さま、かわいそうに、)のような言い方をされたことがあります。
が、実際は、それは、献立をケトン用にカスタムすることが学校や療育園では叶わず、計算上つじつまをあわせるためにオイルを添えているスタイルを取らざるを得なかった、というだけです。
小麦粉のように見立てることで
実際は、ケトンフォーミュラ(ケトンミルクの粉)を小麦粉のように見立てることで、パンケーキやピザを作れますし(オイル飲み残しの心配がなく、どこを食べても一律のケトン比率)、オイルもゼリー状にテクスチャーが変わっていて喉越し良いものなども発売されています。
(簡易的な計算方法です、基本的にこの計算方法で大丈夫です⇒)ケトン食とは、ざっくりいうと、
食事中の脂肪÷(炭水化物(糖質)+タンパク質)
が(医療的に効果的とされる)3を目指す食事メニューです。
これを遵守しようとすると、子供が大好きなバナナ、パン、アップルソースを(オイルを増し増しにすれば計算上は3を保てるのですが現実的には)ほんの少ししかあげられません。
でも、一日中発作しているのも正しくないので、難しい決断にはなるけれど、治療抵抗性のてんかんのコントロールに難渋している人が、食事療法に進む、というのは一案です。
ケトン食療法をスタートしてから徐々に発作が減っていき
乳児期は一日に15回発作していて、そのあとは、お薬調整を経ても(お薬変遷についてはまた別記事書きますね)、一日8-12回はしている子でした。
我が家に限っては、たとえ天と地がひっくり返っても、何しても発作は減らないのではないかと思っていましたが、ケトン食療法をスタートしてから徐々に発作が減っていき(ほんのりじわじわ効果が出る感じです)、1日6回程度しかしなくなっていきました。
しばらくして、1日4回くらいしかしてないことに気が付きました。
現在は1日1-2回程度です。
年齢が上がるのに伴って発作は良くなる印象もあるので、一概にケトンの効果だけだとは思いませんが、すべての治療の中で、発作が減っていく実感、手ごたえが一番あった治療がケトン食です。
ケトン食を長くつづけることの弊害
ちなみに、ケトン食を長くつづけることの弊害もあります。
すべての薬についてそう思いますが、薬を増やしていく時期と減らしていく時期、あらゆるvariables、elements要素(たとえば、体重)が影響するので、おなじ変遷をたどるわけではないのですよね。とても難しいです。
ケトンを中止しているのに発作がぶり返していないことは、開始の段階で感じたケトンの効果を否定することではない、ということが言いたいです。
ケトン食レシピを何通りかマスターしてしまえば
ケトン食療法をするには、
- 割とお料理と算数が苦ではない
- 食品成分表を見るのが楽しい(実際見ます)
- 成城石井やオーガニックスーパー巡り(いろいろ発掘できて楽しい笑)
という人のほうが正直向いていると思いますが、レシピを何通りかマスターしてしまえば、離乳食を作るような要領でストックを作ることも可能(かつ実用的)なので、おそれることはありません。
なにより、ケトン食をやめるのは簡単です。断薬よりも簡単です。
3よりも厳しくやる人(~4)も緩やか(2くらい)で進める人もいます。
ケトンについては、実施期間たくさんのことを調べましたし、たくさんの思いがあるので、まだまだ書けるのですが、いったんこの辺で。
お気軽にご連絡ください
興味のある方は、
- 何をまず用意しなければいけないのか
- レシピや一緒にとったほうがよいサプリ
- ケトン中でも飲める甘味飲料について等(子供がお茶が嫌いでジュースしか飲まない子の場合、水分確保かなり大事な問題になります)
たくさんの良情報がたまっているので、お気軽にご連絡ください。
海外でのケトングループにも参加
海外でのケトングループにも参加しているので、何か質問の代行等、お力になれることがあればお知らせください。
バンズをケトンフォーミュラで作って、ベーコンとアボカドとチーズとレタスでバーガー、とか、私の中では、ケトン=油増し増しの辛い治療、というより、糖質制限食の究極=意識高いおしゃれ飯!(アメリカ西海岸サンフランシスコに住んでいるホールフードに出没する人のイメージ(笑))と頭の中で変換していました。
大変頼りにしていてお世話になっている一人の方は、毎食献立を考えて過ごす(私も、寝ても覚めてもケトンレシピを考えていました)ケトン食実施期間中に、こんなサービスがあったらいいな、と思っていたというケトン食の冷凍食品の宅配ビジネスをスタートしようとしていらっしゃいます。
1食も休めないのはプレッシャーになるので、とても素晴らしいビジネスがスタートするな、とわくわくしています。
食形態に気づかいつつ、ケトン、これ、本当に障害児コミュニティの中でも、ニッチなフィールドなので。そちらについてもいずれ共有させていただきますね。
ちょっと抵抗があるけれど、ケトンに足を踏み入れてみたい難治性てんかんのお子さんをお持ちの方や、ケトンに進まざるを得ないGLUT1(グルコーストランスポーター1欠損症症候群)のお子さんをお持ちの方、それ以外の方からもご連絡お待ちしています。
メリル・ストリープ(!!)主演のケトン食についての映画、誤診
~first do no harmもいずれ紹介しますね!
ではでは。